2018年2月、韓国・ソウルで行われた北朝鮮の芸術団の平昌冬季五輪祝賀公演(朝鮮通信=共同)

 【北京共同】北朝鮮の芸術公演などで、韓国との南北友好を象徴する歌として広く知られる歌謡曲「パンガプスムニダ(うれしいです)」の披露が禁じられていることが29日分かった。金正恩朝鮮労働党総書記が昨年、韓国を主敵と位置付けて以降、公演の演目から外されるようになったという。複数の北朝鮮筋が明らかにした。

 この曲は同胞と会えた喜びを表現しており、1991年に発表された。日本や韓国で暮らす同胞との交流行事や公演で、たびたび歌われてきた。韓国への敵対姿勢が軍事や外交だけでなく文化面でも徹底されていることが改めて裏付けられた。

 アップテンポな曲調と平易で口ずさみやすい歌詞が特徴。北朝鮮独自の政治体制や思想の色が薄かった点でも、幅広い聴衆に受け入れられたとされる。

 北朝鮮の女性従業員が働く中国の北朝鮮レストランでは、この曲が披露されなくなった。大半の店では韓国人の入店を断るようになっており、日本人に対してパスポートの提示を求め、韓国人ではないかどうか確認する店もある。