AIを活用し、超高精細で色鮮やかに再構成された「オズの魔法使」のワンシーン=8日、米ラスベガス(共同)

 【ラスベガス共同】米グーグルは生成AIを活用し、1939年に公開された米国のミュージカル映画「オズの魔法使」を超高精細で色鮮やかに再構成した。米西部ラスベガスの球体型複合施設「スフィア」で8月28日から上映される。AIが映像の構成や背景、人物の動きを補完することで、観客は作品世界に入り込んだような体験を楽しめる。

 オズは当時35ミリフィルムで撮影され、長辺と短辺が4対3の比率で製作された。グーグルはこれを基に、動画生成AI「ベオ」を用いて解像度を大幅に高めた。さらに、画面の外側にある背景や空間をAIが自動的に描き足す「アウトペインティング」技術を使って映像を拡張。視野やカメラの制限を超えた映像に加工した。

 AIは大規模言語モデル「ジェミニ」も使い、俳優の演技データを学習。登場人物の表情や動作、位置関係を再構成した。従来のCG技術では再現が難しかった細部の動きや自然な演出も可能になった。