【ハノイ共同】石破茂首相は27日、ベトナムの首都ハノイに到着した。同日に最高指導者トー・ラム共産党書記長、28日にはファム・ミン・チン首相との会談に臨む。トランプ米政権が高関税政策を進める中でも、自由貿易体制を強化する重要性を確認する。貿易、投資といった経済協力を拡大し、東南アジアの成長に貢献する姿勢を示す考えだ。
首相は、関税措置の撤廃を求める対米交渉と併せ、自由貿易の堅持に向け各国への働きかけを強める方針だ。追加関税を受け米国と対立する中国は東南アジアとの連携を図っており、ベトナム訪問は中国の影響力拡大に歯止めをかける狙いもある。
一方、超党派でつくる日中友好議員連盟会長の森山裕自民党幹事長らは27日、中国・北京を訪問。議連としての訪中は昨年8月以来で、共産党からは志位和夫議長が参加する。
首相は27日午前、ベトナムへの出発に先立ち、記者団に「現地の日本企業から懸念を聞きたい」と述べた。
首相はベトナムに続き、29日にフィリピンを訪れ、マルコス大統領との会談に臨む。