ミャンマー中部を震源とする大地震は28日で発生から1カ月。甚大な被害が出た上に国軍と民主派武装組織の衝突が続く北部ザガインの被災者は「軍事政権は全く機能していない」と憤りをあらわにした。雨期も迫り、住む場所を失い屋外での生活を強いられている多くの人が先の見えない不安を抱える。
共同通信記者は26日、最大級の被害が出たマンダレーからイラワジ川を挟んだ対岸のザガインに入った。中心部には被災した多くの建物やがれきがそのまま残され、復興への道は遠い。
経済担当の省庁に勤めるクマさん(50)は自宅が全壊した。住宅再建などについて軍政は何の方針も示せていないとし「このような規模の災害とまともに向き合えるはずがない」と批判。大災害対応の経験がない上、民主派との戦闘で財政的に窮迫していることが原因だと強調する。
国軍の支配が完全に及ばないザガインでは支援物資などの運搬が厳しく規制されている。クマさんは軍政について「抵抗勢力に資金が渡ることや、抵抗勢力が支援関係者を装って自由に移動できるようになることを恐れている」と指摘した。