【ワシントン共同】トランプ米大統領は26日、自身の交流サイト(SNS)で、軍用と商用を問わず、米船舶はパナマ運河とスエズ運河を無料で通航できるようにするべきだと主張した。「これらの運河は米国なしには存在しない」とし、ルビオ国務長官に対応を指示したと明らかにした。

 パナマ運河を巡っては、トランプ氏が1月の就任演説で「中国が運営している」と訴え、運河の管理権を取り戻すと宣言。運河の両端にある二つの港を運営する香港系企業は3月、運営権を米資産運用大手が率いる共同事業体に売却する計画を発表した。中国当局は計画に反発しているとされ、手続きが遅れている。

 トランプ氏が第2次政権発足後、スエズ運河の無料通航を主張したのは初めてとみられる。エジプト北東部にあるスエズ運河は1869年に開通した。地中海と紅海を結ぶ全長約193キロの運河で、アフリカを回らずに欧州とアジアを結ぶ海上交通の要衝とされる。