米インディアナ州の欧州自動車大手ステランティスの工場=3日(ロイター=共同)

 【ニューヨーク共同】トランプ米政権の関税政策の影響が米国で早くも広がっている。旧米クライスラーを傘下に持つ欧州自動車大手ステランティスは3日、米政権の輸入自動車への関税発動を受け、米国の従業員900人を一時的に解雇する方針を発表。一方、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は米国内で生産増を検討する。関税導入に伴い幅広い業界で経営環境が激変し、対応が不可避となりそうだ。

 米政権は「相互関税」を2日発表したのに続き、輸入自動車への25%の追加関税を3日発動した。ステランティスは同日、カナダとメキシコにある組立工場の操業を一定期間、それぞれ停止すると公表。

 追加関税の影響が競合よりも少ないとされる米フォード・モーターは同日、米国で幅広い車種の値下げをすると発表した。

 関税強化策を巡る国内業界の評価はさまざまだ。テクノロジー業界の団体、全米民生技術協会は「米国民に対する大幅な増税であり、米国経済が不況に陥る可能性がある」と警告した。一方、米国鉄鋼協会は「互恵的でない貿易関係に対処するために立ち上がったトランプ氏に感謝する」としている。