3日、ブリュッセルのNATO本部で話すルッテ事務総長(手前右)とウクライナのシビハ外相(AP=共同)

 【ブリュッセル共同】北大西洋条約機構(NATO)は3日、ロシアによる侵攻が続くウクライナとの連携枠組み「NATOウクライナ理事会」をブリュッセルで開いた。ウクライナのシビハ外相は記者団に、ロシアが条件を付けるなどして米国が仲介する和平に向けた停戦協議が進展していないとして「ロシアに対する圧力と抑止力が必要だ」と表明した。

 シビハ氏は、和平の実現にはロシアの再侵攻を阻止する「安全の保証」が不可欠だと強調。「武器が必要だ。NATOと欧州は、ウクライナに目を向けなくてはならない」と訴えた。

 NATOのルッテ事務総長は加盟国が今年1〜3月にウクライナに対して約束した安全保障支援が、計200億ユーロ(約3兆2千億円)を超えたと指摘し「NATO加盟国が支援を続けている証拠だ」と強調した。

 理事会はNATO加盟国の外相らとシビハ氏が参加し、夕食会形式で実施。シビハ氏が戦況や公正な平和の実現に向けたウクライナの見解を説明した。

 これに先立ちNATOは、日本や韓国など4カ国の外相らを招いた会合を開いた。