石川県輪島市立小学校6校の仮設校舎に掲げられた合同卒業式の看板=3月

 昨年の能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市、珠洲市、能登町、穴水町の小中学校に通う児童・生徒数が、地震前から約3割減ったことが7日、4市町の教育委員会への取材で分かった。広域避難などが原因とみられる。同日に各地で行われた入学式では小学生185人、中学生239人の計424人が新たな一歩を踏み出した。

 各市町教委によると、地震発生前の最新の集計となる2023年春時点では、小学1年から中学3年の児童・生徒数は義務教育学校を含め、計2682人だった。ところが、今年4月現在の集計で、計1974人にまで減ったという。

 一方、今年の入学者数は地震発生後の昨年4月と比べ、ほぼ横ばいだった。輪島市の担当者は「避難者が仮設住宅の完成などで戻ってきたため」と分析。より多くの児童・生徒が地元に帰ってこられるよう、引き続き、環境整備に取り組む考えを示した。

 輪島市町野地区の東陽中は7日、たった1人の新入生山崎裕之さんを迎えて入学式を開催。山崎さんは「失敗を恐れず、前向きに挑戦していく」と力強く宣誓した。