特定抗争指定暴力団山口組が7日、2015年に山口組から分裂した神戸山口組との抗争を「終結させる」という内容の誓約書を兵庫県警に提出したことが、捜査関係者への取材で分かった。山口組の森尾卯太男本部長ら3人が県警本部を訪れ、担当者に手渡した。
分裂から今年8月で丸10年。捜査関係者によると、神戸山口組は抗争終結の意思を示しておらず、県警は山口組による一方的な宣言とみて動向を注視していく構えだ。
山口組を巡っては15年8月、篠田建市(通称・司忍)6代目組長の運営体制に反発した勢力が離脱し、神戸山口組を結成。分裂抗争が激化し、銃撃事件などが相次いだ。
兵庫県などの公安委員会が20年1月、両山口組を特定抗争指定暴力団に指定。組員らは警戒区域内での事務所使用や、おおむね5人以上での集合、対立組員への付きまといなどを禁じられ、違反に対する警察の取り締まりが強化されてきた。
警察庁の統計によると、24年末時点の山口組の勢力は準構成員らを含め約6900人。神戸山口組は約320人。