伊豆諸島の八丈島沖を泳ぐセミクジラ=3月30日(加藤太朗さん提供)

 絶滅が危惧されている北太平洋のセミクジラが、伊豆諸島の八丈島沖で目撃されたことが31日、関係者への取材で分かった。ホエールウオッチングの観光船が撮影し、東京海洋大の村瀬弘人准教授が映像から確認した。村瀬さんは「セミクジラは世界に数百頭しか生息していないとみられ、目撃されるのは珍しい」と話している。

 観光船を運航する東京都八丈町の加藤太朗さんによると、3月30日午後3時ごろ、八丈島沖数百メートルでクジラ1頭を発見。潮を吹いたり潜ったりする様子を約30分間、映像に記録した。

 村瀬さんによると、セミクジラは背びれがなく、潮をV字形に吹く。頭部の特徴からもセミクジラと判断できたという。