岐阜市や周辺を走っていた名鉄岐阜市内線、揖斐線、美濃町線、田神線の廃線から20年。2005年3月31日まで岐阜地区各線を走っていた電車のうち、計30両が全国の3社へ移籍しました。福井では、近く電車の内装に「赤い電車」がお目見えする予定。各地で活躍する元岐阜の電車を紹介します。

■福井は連接車が主体

 福井鉄道(福井県越前市)には当初、岐阜市内・揖斐線で走っていた770形8両と、美濃町線で走っていた800形2両、880形10両の計20両が移籍。

福井鉄道の880形=2023年11月、福井市内
名鉄時代の880形=2005年3月、美濃町線上芥見駅付近

 770形と880形は昭和の終わりごろに登場した連接車両。800形は2000年に登場した「岐阜の路面電車」最後の新車で、車体中央部の床が低くなっているのが特徴です。

 800形2両は、2019年に豊橋鉄道(愛知県豊橋市)へ再移籍しました。

 福井鉄道は、郊外の鉄道線と福井市内の軌道区間を併せ持つ路線。元名鉄車両の導入に合わせ、高さが88センチあった鉄道線駅のホームを削り32センチに低くしました。2013年には、3連接車体の超低床電車が登場。元名鉄車とともに走っています。

福井鉄道の770形=2024年3月、福井市内

 最近は、利用者らに楽しんでもらえる取り組みを進めています。その一環で、770形の車内に付いているカーテンに、かつて岐阜を走っていた「赤い電車」のイラストが隠れキャラのように入ることになりました。

 同社の担当者によると「カーテンをかわいらしいイラストが入ったものにしては」という社員のアイデアを取り入れたもの。770形のカーテンを新しくするのにあわせ、4月から順次設置していく予定といいます。

 カーテンの柄は、基本的に福井鉄道カラーの770形。一つだけ赤い770形のイラストが隠れているといいます。

 赤色のイメージが根強い名鉄電車。...