スマートフォンなどに使われる充電式のリチウムイオン電池が原因とみられる出火や発煙が2023年度、ごみ処理施設や収集車で2万1751件発生したことが31日、環境省の調査で分かった。前年度より3割増え、過去最多。リチウム電池は衝撃で発火しやすく、自治体の回収方法に沿って処分する必要があるのに、他の家庭ごみと一緒に捨てられたためだ。環境省はごみ処理指針を改定し、対策を強化する。
処理スタッフに危険が及ぶほか、燃え広がって施設が損傷すればごみの収集ストップなど生活に大きな支障が出る。リチウム電池は身近な製品に多く使われており、処分ルールの周知や順守が求められる。
調査は全1741市区町村に実施。344自治体が出火や発煙などがあったと答えた。
発生数は、調査を始めた19年度が9732件だった。23年度は、前年度1万6517件から3割増。全体のうち「職員が手動で消火」が8459件、「散水装置など自動的に消火」が6602件で「消防隊が消火」も84件あった。残りは火花や煙など。