JR京都駅の壁に設置されている盗撮防止の特殊ミラー=25日
 広角に映せる特殊ミラー=2023年12月、さいたま市(コミー提供)

 盗撮被害を防ぐため、広角に映せる特殊ミラーを駅のエスカレーターに設置する取り組みが広がっている。鏡があるとつい見てしまう心理を利用し、背後を意識してもらう狙いだ。京都府警と警察庁科学警察研究所が効果を検証した結果、横や後ろを意識する人が増加。専門家も「効果的だ」と評価している。

 府警と鉄道各社は1月、鏡を製造・販売する「コミー」(埼玉県川口市)が開発した特殊ミラーをJR京都駅など府内10駅に取り付けた。エスカレーターに乗り、横の壁にあるミラーに目をやると、後ろの人の手元まではっきり確認できた。

 府警は、盗撮の疑いで取り調べた容疑者が「後ろを振り向かれると盗撮しにくかった」と供述したことに着目。抑止になると考えた。

 実際にミラーの効果も検証。府内8カ所で、朝の時間帯に1日計約400人の行動を、設置前に1回、設置後に3回観察した。横や後ろを振り向く割合が、設置前後で約5%から約20%に増加。府警は一定の効果があったとし、鉄道各社にさらなる活用を促している。