栃木県那須塩原市の東北自動車道上り線で計3人が死亡し、10人が重軽傷を負った逆走多重事故で、逆走車は黒磯板室の料金所からインターチェンジ(IC)に入り、反対車線に誤進入したとみられることが28日、捜査関係者への取材で分かった。3キロ以上逆走し、追い越し車線で正面衝突していた。県警は誤進入した経緯を調べる。
黒磯板室ICは料金所を抜けると信号のある丁字路となり、右折して上り線に入る構造。逆走車は左折したとみられる。この車線には進入禁止の標識があり、路面が赤と青に色分けされているものの、物理的に遮る構造物はない。栃木県内の東北道では昨年8月にも逆走事故が2件あった。
逆走して衝突し死亡したのは宇都宮市峰町の職業不詳前原勇太さん(42)。事故は那須IC―黒磯板室IC間で発生した。捜査関係者によると前原さんは26日午後10時ごろ、東側の路肩を走行し、黒磯板室ICから500mほどの場所で接触事故を起こした。その後約2・7キロ北上し、乗用車と正面衝突。岩手県北上市の男性会社員(56)が亡くなった。