イタリアの日刊紙「フォリオ」がAIを使って作った新聞=3月、ローマ(共同)

 【ローマ共同】イタリアの日刊紙「フォリオ」が、人工知能(AI)を全面的に使い製作した新聞を3月から発行している。今月11日までの約1カ月限定の「実証実験」で、見出しや記事の生成など全工程をAIが担う「世界初の試み」という。ただ報道機関でのAI活用方法や程度が議論される中、専門家からは規制を設けずにAIに任せるのは「リスクが大きい」と慎重な意見もある。

 全4ページのAI新聞は3月18日創刊。火曜から金曜の週4日、通常の新聞と共に新聞販売店などで入手できる。28日付紙面の1面には「トランプ米大統領の新戦略が世界で不思議な反応を生んだ」との記事が掲載された。トランプ氏の関税攻勢に反発するカナダとメキシコの両首脳の支持率が上昇していることを取り上げた。

 フォリオのクラウディオ・チェラサ編集長によると、記事は対話型生成AI「チャットGPT」を使い作成。記者がAIにテーマや単語数などを指示すると、1本当たり平均約5分で仕上がる。記事に肉付けが必要な場合は、追加で資料を読み込ませ補うという。