28日、地震による建物の倒壊現場で作業する人ら=タイ・バンコク(タイ軍提供・共同)
 タイの首都バンコクでビルから避難した人たち=28日(共同)

 【ヤンゴン、バンコク共同】強い揺れの直後、バンコク中心部で建設中だった高層ビルが一瞬で崩れ落ちた。白い煙が周囲を包み込む。「逃げろ、ビルが崩れた」。28日午後にミャンマーとタイを襲った地震。市民らは悲鳴を上げて逃げ惑った。「死者数が増えそうだ」。消防当局者は言葉少なに語った。

 震源となったミャンマーの軍事政権は全土で144人が死亡したと発表。第2の都市、中部マンダレーなどでは倒壊した建物などの写真が続々と交流サイト(SNS)に投稿され、市民の一人は「軍事政権は情報を隠す。救助や被災者支援が滞らないか心配だ」と述べた。

 ミャンマー最大都市ヤンゴンの中心部では建物や道路に目立った被害はなかったが、市民らは余震を心配していた。

 タイメディアによると、倒壊したビルは34階建てで、骨格部分は完成に近い状態。敷地では約300人が作業していたといい、多数ががれきの下敷きになった可能性が高い。救助隊は生存者を傷つけないよう、手作業で慎重に捜索を続けた。