董郁玉氏の裁判が行われた裁判所前を警戒する治安当局の車両=31日、北京(共同)

 【北京共同】日本人外交官に情報を提供したなどとしてスパイ罪に問われ、一審で懲役7年を言い渡された中国共産党系主要紙元幹部、董郁玉氏の二審初公判が31日、北京市の裁判所であり、董氏側は一審に続き無罪を主張した。「日本の外交官はスパイではない」と反論する金杉憲治駐中国大使の書簡を証拠として提出した。関係者が明らかにした。

 董氏は光明日報の元論説部副主任で、改革派知識人として知られる。北京市の第2中級人民法院は昨年11月の一審判決で、董氏と交流のあった日本人外交官らの名前の一部を列挙し「スパイ組織の代理人」と指摘した上で、在中国日本大使館を「スパイ組織」と認定する形となっていた。