島根県警察本部=松江市

 島根県警益田署は28日、同県益田市の山中に病死した兄を遺棄したとして、死体遺棄の疑いで、いずれも住所不定、無職で、双子の弟=当時(52)=と、母親=当時(77)=を容疑者死亡のまま書類送検した。署によると、3人は軽自動車で車上生活をしていた。

 書類送検容疑は2024年4月末から5月2日までの間に、益田市美都町宇津川の国道191号脇に楠本哲也さん=当時(52)=の死体を遺棄した疑い。署によると、哲也さんは寝たきりだった可能性があり、死因は車中泊などで血栓ができる「エコノミークラス症候群」だった。

 遺体は床ずれがあり、おむつを着けていたことなどから、署は医療介護施設や自治体に聞き込み。今年1月22日、千葉県内の漁港で海に転落した軽自動車内から死亡した母と弟が見つかり、その後、署は遺体を哲也さんと特定した。

 署によると、3人は千葉県内で同居生活をしていたが、昨年3月に失踪。長期的に車上生活をしていた可能性が高い。署は車上生活中に哲也さんが病死し、数日間滞在していた島根県内で遺棄したとみている。