マニラにあるフィリピン軍基地で、ヘグセス米国防長官(左)を出迎えて握手するテオドロ国防相=28日(共同)

 【マニラ共同】ヘグセス米国防長官は28日、フィリピンのテオドロ国防相とマニラの軍基地で会談した。中国が南シナ海で威圧を強める中、マルコス大統領を表敬訪問し「中国共産党からの脅威を考慮すると、フィリピンでは抑止力が必要だ」と強調した。フィリピンの防衛義務を定めた米比相互防衛条約を守るトランプ大統領の決意を伝えた。

 ヘグセス氏は1月に発足した第2次トランプ政権の閣僚として初めてフィリピンを訪れた。テオドロ氏との会談では「自由で開かれたインド太平洋」を掲げ、同盟強化を図る。第2次トランプ政権下でも、南シナ海で米軍が日本の自衛隊などと連携してフィリピン軍との合同演習を続けていく姿勢を示す。

 関係筋によると、米軍は南シナ海で28日、フィリピン軍の能力や相互運用性の向上を図る「海上協同活動」と呼ばれる合同演習を計画している。中国との係争海域に近いルソン島スービックの海軍基地に寄港していた海上自衛隊の最新鋭護衛艦「のしろ」が参加する。

 海上協同活動はバイデン前米政権下で始まった。