国土交通省北海道運輸局は31日、貨物列車の接近中に作業員が線路に立ち入るなど、安全管理上のトラブルが相次いだJR北海道の綿貫泰之社長に改善指示を出し、原因究明や再発防止策の策定を求めた。2月以降、同社に保安監査を実施していた。
JR北海道によると、北海道砂川市のJR砂川駅で昨年11月、貨物列車の運転士が線路上に3人の保線作業員がいるのに気付き非常ブレーキをかけた。運輸局によると、けが人はいなかったが必要な見張り要員がいなかったほか、保安体制の不備を隠そうと虚偽の報告をしていたといい、2〜3月に同社を監査した。
JR北海道ではほかにも、森町で昨年11月に起きた貨物列車脱線事故の直後、現場の状況を十分に確認しないまま、別の貨物列車に反対側の線路を通過させていたことが判明。運輸局は「安全の根幹に関わる不適切な行動を繰り返し発生させている」と判断した。