原子力規制委員会は28日、原発事故時の屋内退避の運用を検討する会合を開き、退避解除を判断する目安を3日後とする報告書の取りまとめに向け議論した。事故と自然災害が同時に起こる複合災害などに関する記載で意見がまとまらず、同日午後に参加者に修正案を送り、了承されれば取りまとめとする方針。
規制委は2月に報告書案を公表し、関係自治体から意見を募集していた。報告書案では、複合災害への対応について「自然災害の備えが十分あることが重要」としていたが、関係自治体からは「改めて検討を」「具体的な指針を示してほしい」と要望があった。
国の防災基本計画が最低3日間の食料備蓄を求めていることを解除判断の根拠とした。解除には大量の放射性物質を含む空気の塊が滞留しておらず、新たに到達する可能性もないことが条件。退避中でも生活必需品の調達や緊急性の高い医療を受けるための外出は可能とした。
国の原子力災害対策指針では、原発から大量の放射性物質が放出される可能性が高い場合、原則5キロ圏内は避難する。