飛騨市古川町太江の高田神社本殿前に黒光りの立派な姉小路氏顕彰碑が建つ。姉小路家綱が同神社を崇敬し、隣接地に館「十楽観」を建てた縁だ。
姉小路家は飛騨国司家として知られるが、学芸員で安国寺住職の堀祥岳さん=高山市国府町西門前=によると、同家の飛騨国司の初出史料は1371(応安4)年の「花営三代記」の「越中左近大夫将監殿、飛騨国司舎弟二人以下百余人、あるいは降参、あるいは生捕の由注進す」(以下引用は古川町史史料編1)で、この国司は78(永和4)年の「後深心院関白記」に「家綱卿〈飛騨国司也〉」とみえる家綱を指す。
後に家綱直系の勝言の小島家、弟頼時の子尹綱(まさつな)の古川家、出所不明ながら向家の3家に分流した。...