国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は日本時間28日、中国が国外に逃れた反体制派や少数民族、その家族に対して脅迫や監視などの「越境弾圧」を強めているとの調査結果を公表した。中国国外の23カ国に住む中国本土や香港出身の105人が証言。中国が現地当局に政治・経済的な圧力をかけて「共産党に反対する人を黙らせるキャンペーン」を展開していると強調した。
ICIJが42の報道機関と協力し、入手した中国政府の内部文書や当局の報告書も活用。国際刑事警察機構(ICPO)など国際機関を「悪用」している実態も明らかになったと指摘した。
105人のうち60人が海外の受け入れ国で監視、尾行されたと証言。22人が中国共産党の支持者から暴行や身体的な脅迫を受けた。19人が不審なメールを受信したり、ハッキングに遭ったりしたという。
中国外務省の郭嘉昆副報道局長は28日の記者会見で「一部の悪意ある勢力が中国の正当な法執行や司法協力を誹謗中傷することに反対する」と反発した。(東京、北京共同)