国立競技場の民営化事業を4月から担っている運営会社の竹内晃治社長(59)がインタビューに応じた。最重要課題である黒字化に向け「単なる貸し館営業から脱却し、収益化を図る。街のシンボルとなる存在にしていきたい」と、地域と連携しながら稼働率を上げていく考えを示した。

 19、20日に行われたアイドルグループ「Snow Man」のコンサート。地元の商店街や神社には、グループにちなんだ装飾が施され、飲食店の店員は記念Tシャツを着用した。主催者も含めて取り組んだ企画は地域一体となった盛り上がりを生んだ。経済効果も大きかったとみられ、竹内氏は「最初にいい事例ができた」と語る。

 運営会社は、NTTドコモやJリーグなどが出資して設立した。31年間で528億円の運営権対価を日本スポーツ振興センター(JSC)に支払う契約で、VIPルームの大幅拡充や命名権販売などに加え、鍵となるのが収益性の高いコンサート。これまでの年に数回から、20回ほどに増やす計画だ。