福島県飯舘村長泥地区に完成した除染土の再利用について情報発信する環境省の広報施設=25日午後

 東京電力福島第1原発事故に伴う除染で出た土を農地造成に再利用する福島県飯舘村長泥地区の実証事業で、同村は25日、事業が終了した一部の区画が地権者に返還され、営農再開に向け、試験的な農作物の栽培を始めると明らかにした。

 環境省の実証事業では、収穫した農作物の放射性セシウム濃度は基準値を大幅に下回っており、県や村はあらためて作物の放射線量を確認した上で、2027年度以降の出荷制限解除を目指す。

 今回国から返還されたのは4区画ある実証事業エリアのうち、「4工区」と呼ばれる広さ約4ヘクタールの土地。村内で発生した5千ベクレル以下の除染土を盛り土にして利用した。