トヨタ自動車の豊田章男会長を含むトヨタ創業家が、源流企業である豊田自動織機に株式非公開化を前提とした買収提案を行っていることが25日、分かった。買収総額は数兆円規模に上る可能性があり、取引先のメガバンクなどの融資やトヨタの出資を活用する案を検討している。豊田織機はこれを受け、提案の是非を検討するための特別委員会を設置した。
創業家は、豊田織機の既存株主から株式公開買い付け(TOB)により株式を取得する方法を模索している。豊田織機は海外ファンドから取締役の構成などに関する株主提案を受けており、非公開化で経営の自由度を高める狙いもあるとみられる。
豊田織機の株式は、トヨタが24・2%、デンソーが6・78%、トヨタ不動産が5・32%保有している。25日時点の時価総額は約4兆3千億円で、買収総額はプレミアム分を上乗せした数兆円規模になるとの見方が出ている。
創業家は特別目的会社をつくって豊田織機を買収する計画。巨額な資金が必要になるため、章男氏や創業家の資金に加え、金融機関やトヨタからの支援を検討している。