イタリアのメローニ首相=3月6日、ブリュッセル(ロイター=共同)

 【ローマ共同】トランプ米大統領と良好な関係を保つイタリアのメローニ首相が、米関税措置で、米国とEUの板挟みになっている。「橋渡し役」を自任するが、存在感を発揮できていない。17日にワシントンでトランプ氏と会談する予定で、手腕が試されることになりそうだ。

 「貿易戦争を回避するために全力を尽くす」。トランプ氏が相互関税導入を発表した2日、メローニ氏は声明で対米交渉への意欲を見せた。「関税は間違いであり、誰の利益にもならない」と米国を批判しつつも、3日には欧州諸国に「関税で対抗することが最良の選択肢ではない」と冷静さを保つよう促した。

 同氏は「極右」とも呼ばれ、反移民政策を含めてトランプ氏と近い立場。1月には欧州首脳で唯一、ワシントンで開かれた大統領就任式に出席した。対米関係ではEU首脳の中で先頭に立つと目されてきた。

 ロシアのウクライナ侵攻では当初からNATOやEUと協調してウクライナ支援に取り組み信頼を得たが、トランプ氏の下で米国がロシア寄りに傾くと、バランス取りに苦心する場面も目立つ。