多数のガザ住民を拘束するイスラエル南部の施設=1月(ゲッティ=共同)

 パレスチナ自治区ガザの戦闘で、イスラエル軍に連行されたパレスチナ人が少なくとも49人拘束下で死亡したことが分かった。軍から記録を入手したイスラエルの非政府組織(NGO)が16日までに共同通信に明らかにした。事実上の「戦争捕虜」が多数死亡した可能性が出ている。拷問で死亡したとみられるケースもあるという。

 NGOは「人権のための医師団・イスラエル」で、情報公開制度に基づき軍の記録を入手。NGOによれば、イスラエル軍はパレスチナ人に国内法の「不法戦闘員法」などを適用、司法手続きなしの無期限拘束を続ける。

 NGOのナジ・アッバス氏は「前例のない規模で死者が出ている。改善には国際社会の圧力が必要だ」と訴えた。

 NGOは今年2月、ガザから連行された医療関係者に関する報告書を公表。拘束されている医療関係者は250人を超え、うち20人以上に軍基地などで面会した。

 報告書によると、殴打などの拷問のほか、「ディスコルーム」と呼ばれる大音量の音楽が流れる部屋への監禁、天井からのつり下げなどが確認された。(共同)