フランスのマクロン大統領(ロイター=共同)

 【パリ共同】フランス大統領府は15日、アルジェリアの外交官ら12人の追放と駐アルジェリアのフランス大使の召還を発表した。アルジェリアがフランスの外交官ら12人の追放を決めたことへの報復措置で、両国関係は危機的なレベルに悪化している。

 フランスはアルジェリアの旧宗主国。フランスメディアによると、アルジェリア政府を批判するアルジェリア人インフルエンサーがパリ郊外で誘拐された事件に関与したとして、領事官を含むアルジェリア人3人が先週起訴された。これに反発したアルジェリアが、フランスの外交官らの追放を決めたことが14日に明らかになっていた。

 フランスのマクロン大統領は昨年7月、鉱物資源が豊富な西サハラの領有権を主張するモロッコの立場を事実上支持。アルジェリアは、西サハラの独立派「ポリサリオ戦線」を支援しており、フランスとアルジェリアの緊張が高まった。

 さらにアルジェリアが昨年11月、同国を批判するフランス系アルジェリア人作家を逮捕したことで対立が激化していた。