【ニューヨーク共同】米金融最大手JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO)は7日に公表した株主への手紙で、トランプ米政権の関税強化の政策がインフレにつながる可能性があり、米国の成長が鈍化するとの見解を示した。「問題の解決は早い方が良い」として、米政権に再考を求めた。
ダイモン氏は関税策により短期的に「輸入品だけでなく国内製品にもインフレ圧力がかかる可能性がある」と説明。「景気後退を引き起こすかどうかは分からないが、少なくとも成長鈍化を招くだろう」とした。悪影響が「時間とともに累積し、後から取り戻すのが難しくなる」とし、早期の解決を求めた。
米国が主導して作り上げてきた戦後の国際経済秩序「ブレトンウッズ体制」といった国際枠組みにも言及し、敵対国は「米国と同盟国が築いた強固な軍事的、経済的な連携を引き裂くことを望んでいる」と強調。「西側の軍事的、経済的な同盟が分裂すれば、いずれ米国自身も弱体化していくことは避けられない」と警鐘を鳴らした。