男子マラソンで1963年に世界最高記録を出した寺沢徹(てらさわ・とおる)さんが3月23日に慢性心不全のため死去した。90歳。富山県出身。葬儀は近親者で行った。
富山・高岡西部高(現高岡商高)出。倉敷レイヨン(現クラレ)で本格的にマラソン挑戦。戦前の名選手、村社講平の指導を受け、62年の朝日国際(のち福岡国際)を2時間16分18秒4の日本最高で制し、翌年の別府毎日(現別府大分毎日)でアベベ・ビキラ(エチオピア)の世界最高を0秒4更新する2時間15分15秒8で優勝した。29歳で迎えた64年東京五輪は最も期待された日本選手だったが、15位に終わった。
この敗戦を糧に、その後は日本最高記録を更新するなどした。