危険運転致死傷罪の要件を見直す法制審議会部会に臨む委員ら=31日午後、法務省

 自動車運転処罰法の危険運転致死傷罪の要件を見直す法制審議会(法相の諮問機関)部会が31日、初会合を開いた。規定が曖昧との批判を踏まえ、高速度と飲酒の類型に数値基準を設定することが議論の柱。適切な数値の設定方法や、基準値を下回る場合に処罰可能とするかどうかが検討対象となる。

 法務省によると、数値基準の設定に対し、積極、消極双方の意見が出された。

 現行法は、高速度を「進行制御が困難」、飲酒を「正常な運転が困難」と定め、明確な基準は設けていない。悪質な態様の事案でも法定刑の軽い自動車運転処罰法の過失運転致死傷罪が適用されることがあり、遺族らから見直しを求める声が上がっていた。