スーパーの店頭に並ぶ備蓄米入りのブレンド米=3月30日、東京都内(画像の一部を加工しています)

 農林水産省は31日、農協などの集荷業者を通さず、生産者から卸売業者などに販売されたコメが1月末時点で前年同時期と比べ44万トン増えたと発表した。農家の出荷量全体の1割に当たる。昨夏のコメの品不足を受け、2024年産米を直接買い付ける業者が増え、価格高騰につながったとみられる。

 農水省が実態を把握するため、これまで対象外だった小規模な卸売業者と一部の生産者も含めたコメの在庫・流通量を調査し、結果を公表した。

 生産者から全国農業協同組合連合会(JA全農)などの集荷業者への流通量は同時点で31万トン減った。江藤拓農相は31日に記者会見し「(業者が)コメを確保しようと先回りし、在庫を積み上げていった結果ではないか」と分析した。

 農水省はこれまで、農家や一部の卸売業者が投機目的でコメを抱え込み、価格が高騰していると指摘していた。実際は、業者間のコメの獲得競争が激化して流通に支障を来した可能性が高まった。