新型通勤電車315系の導入が進み、JR東海が民営化直後に導入した「民営化第一世代」の普通・快速列車向けの電車が、間もなく引退を迎えようとしています。315系の導入は2025年度までを予定。引退までの期限は、長く見積もっても1年程度です。日常の中で見かけた電車。最後の姿を振り返ります。
315系の導入によって引退することになっているのは、211系、213系、311系の3系列。いずれもステンレスの銀色の車体で、それまでの国鉄の車両面でのイメージを一新する存在でした。
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211系は国鉄時代の1985年に登場した電車。最初は東京周辺の中距離電車向けでした。東海エリアでは、国鉄の分割民営化を目前に控えた86年に名古屋地区の東海道線向けに登場した車両(0番台)と、民営化後に冷房などを独自仕様にして量産した車両(5000番台、6000番台)に分かれます。民営化後に作られた車両は座席がロングシートでした。
岐阜県内を含む名古屋地区では、引退直前は中央線の名古屋―中津川駅間を中心に走っていました。編成の両数やトイレの有無、製造時期によって、細かい差異がありました。90年にかけて計250両が作られています。
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213系は、形式としては国鉄時代末期に登場。東海エリアでは88年に5000番台が登場。側面の扉は2カ所で、転換クロスシートを中心とした座席。当初は関西線で走っていて、東海道線でも走る機会がありました。
近年は飯田線で走っていますが、車庫がある大垣への出入りのため、岐阜県内の東海道線でも回送電車で見かけることがあります。90年にかけて28両が作られました。
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311系は89年に登場。在来線の普通・快速列車では初めて最高時速120キロで走ることのできる電車でした。側面の扉が3カ所、座席は転換クロスシート。電光式の表示器もあり、現在の快速電車の元になったといえます。すでに撤去されていますが、登場時には公衆電話もありました。
当初は東海道線の新快速を中心に使われ、今は普通電車が中心。ラッシュ時を中心に快速系の列車で走ることもあります。90年にかけて計60両が作られました。
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新型の315系は、2022年3月から中央線の名古屋-中津川駅間に登場。国鉄時代製造の211系0番台の8両は315系導入と同時に引退。...