削平された山口城の主郭跡には帯曲輪の痕跡も残る。右奥に続く各峰に法林寺城、祐向山城、掛洞城があった=本巣市(いずれも小型無人機より)

 濃尾平野の北端部、険しい山々が連なる本巣市の権現山一帯には、近接して四つの城跡が残る。その西端にある山口城は、茶人で知られる戦国武将・古田織部が城主だったと伝わる地。さらに歴史は古く、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも登場する梶原景時が、鎌倉初期に居城したと記した史料も残る。室町末期には、斎藤道三の「国盗(と)り」の波にのまれた。

記者独断の5段階評価

難攻不落度

「急斜面の地形。接近して四つの城が連なる」


遺構の残存度

「主郭を囲む帯曲輪の痕跡。法林寺城跡との境には堀切も残る」


見晴らし

「途中の展望台や山頂からは濃尾平野を一望できる」


写真映え

「撮影ポイントは山頂からの眺望か」


散策の気軽さ

「登山道は整備されているがかなりの急勾配。やや健脚向け」


山口城跡へと続く登山道。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に登場する梶原景時も居城したことを伝える碑が立つ

 現在は「文殊の森公園」管理内で、登山道が整備されている。ただ、...