入居者向けの訪問看護で不正・過剰な診療報酬請求が指摘されているホスピス型住宅最大手の「医心館」を巡り、訪問介護でも不正・過剰な介護報酬を請求していたとみられることが27日、複数の現・元社員の証言で分かった。共同通信が入手した社内のオンライン会議の動画では、会社ぐるみで不正を行っていた疑いも判明した。
医心館は末期がんや難病患者向け有料老人ホームで、全国に約120カ所ある。運営会社アンビス(東京)は「現在、(同社が設置した)特別調査委員会による調査が行われているため、回答致しかねる」としている。
医心館に勤務経験がある現職を含む介護職やケアマネジャー、看護師によると、医心館では看護・介護とも入居者への訪問予定表が1日ごとに作成される。「予定表通りに実施した」として記録を作り、報酬を請求していたが、実際には予定通り訪問しないことが多かったという。
別の介護の元現場責任者は「入居者の支給限度額に対し平均8割の金額まで訪問介護を組むよう、本社の部長から指示された」と話す