戦況について報告を受けるロシアのプーチン大統領=26日、モスクワ(ロシア大統領府提供・AP=共同)
 ロシア・クルスク州、モスクワ、ウクライナ・キーウ

 【モスクワ共同】ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は26日、ウクライナ軍が昨年8月から越境攻撃を続けてきたロシア西部クルスク州を完全奪還したとプーチン大統領に報告した。ゲラシモフ氏は、奪還作戦では北朝鮮軍の相当の支援を受けたと述べ、北朝鮮の参戦を初めて公式に認めた。ゲラシモフ氏がオンラインで報告する映像を大統領府が公開した。

 ウクライナ軍参謀本部は26日、クルスク州での「防衛作戦は継続している」と表明し、同州を奪還したとのロシアの主張を否定した。

 ウクライナはロシア領の一部を制圧することで将来的な領土交渉の材料とする狙いだった。事実とすれば、ゼレンスキー政権には大きな痛手となる。プーチン氏は「ウクライナの政権の冒険は完全に失敗した」と述べ、ウクライナを敗北に近づけるものだと主張した。

 ゲラシモフ氏は、北朝鮮軍は昨年ロ朝が調印した包括的戦略パートナーシップ条約に基づいて参戦したとし「ロシア軍と肩を並べて戦闘任務を果たした北朝鮮軍の兵士の高い職業意識や不屈の精神があった」と述べた。越境攻撃でウクライナ軍の兵士7万6千人以上が死傷したと主張した。