ローマ教皇フランシスコの葬儀を見守る修道女=26日、バチカンのサンピエトロ広場(ロイター=共同)

 【ローマ共同】「勇気を持って幸せに生きなさい」。人波の中、掲げられるローマ教皇フランシスコの言葉を記した横断幕や、母国アルゼンチンの国旗。葬儀会場のバチカンのサンピエトロ広場で26日、聖歌が厳かに響く中、大聖堂内から教皇のひつぎが運ばれると拍手が送られた。各国首脳や信者らはこうべを垂れて黙とうし、平和を願い続けた教皇をしのんだ。

 午前10時過ぎ、まぶしい日差しの下、大聖堂前の祭壇にひつぎが置かれ儀式が始まった。祭壇両脇の参列席には、片方に祭服を着た枢機卿ら、もう一方に明るい紺のスーツのトランプ米大統領、襟付きの黒っぽい上着姿のウクライナのゼレンスキー大統領らが並んだ。

 福音書の朗読後、ジョバンニ・バティスタ・レ首席枢機卿が「壁をつくらず橋を架けよう」と教皇の言葉を引用すると、拍手が起きた。教皇の遺影を抱えた信者は、こみ上げた感情を抑えきれず涙ぐんでいた。

 葬儀には移民も招待された。

 イタリア南部シチリア島のボーイスカウトなど子どもたちの姿もあった。