【ローマ共同】世界で約14億人に上るカトリック教徒を率いて平和外交に尽力し、21日に88歳で死去したローマ教皇フランシスコの葬儀が26日、バチカンのサンピエトロ広場で営まれた。トランプ米大統領やウクライナのゼレンスキー大統領ら各国首脳を含む約160の外交団が参列。教皇庁によると、広場周辺を含め25万人以上の信者らが集まり、在位12年の間、弱者に寄り添った「庶民派の教皇」に最後の別れを告げた。
教皇は貧困層や難民らの支援に尽力。被爆地の広島や長崎を訪れ、核兵器廃絶を訴えた。トランプ政権が進める不法移民の強制送還にも批判の矛先を向けたほか、ロシアによるウクライナ侵攻では停戦を呼びかけた。
慣例に従わず、ローマの大聖堂を永眠の地とする。次の教皇を選ぶ選挙(コンクラーベ)は5月上旬にも行われる。
葬儀のミサはジョバンニ・バティスタ・レ首席枢機卿が主宰。大聖堂から広場に移されたひつぎを前に、教皇について難民問題や紛争解決に尽力し「全ての人々に寄り添った」とたたえた。ミサは約2時間行われた。