富山県黒部市で25日、元島民らが北方領土のシンボル「チシマザクラ」を植樹した。富山県は、北方領土からの引き揚げ者が北海道に次いで多い。元島民で千島歯舞諸島居住者連盟の松本侑三理事長(83)は「木が大きく育つ前に四島返還を実現してほしい」と訴えた。
黒部市によると、明治時代に、豊富な漁場を求めた漁師らが北方四島へ移住。戦後、引き揚げてきた富山県出身者は約1400人で、うち市出身は約800人に上るという。
黒部漁港近くの公園で開かれた植樹式には、県内在住の元島民ら約20人が参加。松本さんらが、高さ1メートルほどの苗木5本を植えた。