北大西洋条約機構のルッテ事務総長=24日、ホワイトハウス前(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】トランプ米大統領は24日、ホワイトハウスで、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と会談し、6月にオランダで開催するNATO首脳会議やウクライナ情勢を協議した。ルッテ氏は会談後、加盟国が防衛費を国内総生産(GDP)比2%とする現行目標では「領土を防衛できない」と述べ、トランプ氏の増額要求に理解を示した。

 NATOは対ロ抑止力強化のため、加盟国の防衛費をGDP比で3%程度まで引き上げることを検討しているが、トランプ政権は5%への引き上げを要求。首脳会議までに米欧の溝が埋まるかどうかは見通せない。

 ロシアのウクライナ侵攻を巡り、ルッテ氏は「ロシアが欧州・大西洋全域への長期的な脅威という点でNATOは一致している」とし、米欧の認識に齟齬はないと強調。ロシアとウクライナの停戦交渉の「ボールはロシアにある」と指摘した。

 プーチン大統領は和平を求めていると思うかと問われ「オランダ首相時代に共に仕事をしたが、彼の考えを読み取ろうとするのはやめた」と述べた。