四国地方の天台宗の寺で長年、性暴力を受けたとする尼僧叡敦さんの告発に対し、天台宗務庁(大津市)は16日、60代の住職を免職に当たる「罷免」、80代の大僧正を処分なしとする宗派内の審理局の決定に不服申し立てがなく、審判結果が確定したと発表した。審理局の審判では性暴力があったとは認められなかったという。

 宗務庁によると、住職の処分理由は叡敦さんが既婚者だと知りながら、一緒に生活したためだという。確定は15日付。

 不服申し立てができるのは住職と大僧正のほか、運営トップの宗務総長に限られる。細野舜海宗務総長は「宗教者の名誉と信用が著しく損なわれたことは誠に遺憾だ」とコメントした。