アダルトビデオ(AV)の出演契約を女性と結ぶ際に必要な書面を渡さなかったとして、警視庁保安課は16日までに、AV出演被害防止・救済法(契約書交付義務)違反などの疑いで、動画制作会社「IWD」元代表の祝大地容疑者(35)=埼玉県飯能市=を逮捕した。
逮捕容疑は昨年5月、東京都のホテルで20代女性と出演契約を結ぶ際、法令で定められた内容が記載された書類を交付しなかったなどの疑い。
保安課によると、契約日に撮影し、翌6月、動画サイトにアップロードしていた。同法は契約成立から撮影まで1カ月、撮影から公表まで4カ月の期間を置くことを義務付けている。
制作したAVは1本3千円で販売。女性の報酬は26万円だった。女性は契約時に個人が特定されないよう編集を求めたが、無加工で公開された。
知人が気付き女性に連絡。女性の削除要請に対し、祝容疑者はまだ十分に売り上げが得られていないとして応じなかった。女性は「身元が明るみに出ることはないという言葉で出演を決めてしまった」と話している。