大阪市の人工島・夢洲の大阪・関西万博会場に、東日本大震災の津波に耐えた岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」を映したデジタルモニュメントが設置されている。期間中は、震災の教訓や復興の歩みを紹介する展示も予定しており、万博を通じ防災・減災の取り組みを世界に発信する。
モニュメントは、専用サイトから被災地へのメッセージなどを投稿すると、ディスプレーに映ったデジタル映像の一本松が成長する仕組み。会場東ゲート付近に設置され、縦約3メートル、横約1・3メートル。16日時点で既に2600通超の投稿があり「福島にたくさんの人が来ますように」といった声が寄せられている。
和歌山市から訪れた会社員の女性(46)は「万博で防災を伝える展示に出合えて良かった。地震への備えを再確認する」と話した。
展示では岩手県のサバ缶や宮城県のカキなどを使ったメニューが試食できるコーナーを設け、震災を乗り越えた水産業者らの取り組みも展示する。復興庁の担当者は「万博が被災地に足を運ぶきっかけになってほしい」と期待している。