【ハノイ共同】中国の習近平国家主席のベトナム訪問に際し、両国は15日、包括的戦略パートナーシップを深化させ「運命共同体の構築を推進する」との共同声明を発表した。「相互関税」などで各国との摩擦が強まる米政権を念頭に「覇権主義や一国主義、地域の平和と安定を損なう行動に反対する」と訴えた。ベトナム国営メディアが報じた。
両国は経済・インフラ協力の推進で一致。中国は米国との違いを誇示し、自国に有利な国際環境の構築を目指している。
共同声明によると、領有権を争う南シナ海を巡り、より適切な管理や積極的な解決法の模索が必要だとし「平和と安定の維持」が重要だとの考えで一致した。領有権問題を関係発展の妨げとさせない考えだ。
両国を結ぶ鉄道網整備や農産品の貿易促進などでも合意した。
習氏は15日、首都ハノイでベトナム共産党序列2位のルオン・クオン国家主席と会談。「両国(の関係)は今や戦略的意義を有する運命共同体にまで進んだ。ベトナムと戦略的な意思疎通を強めたい」と述べた。