「こんな悪い試合は初めて…」。プロ注目右腕が自戒する投球で初戦敗退も大器の片りん。春季岐阜県高校野球大会は12日、土岐市総合運動公園などで開幕。大垣北(西濃3位)のプロ注目のエース坪眞都は4四球押し出し、集中打、暴投の6回3失点。2―6で多治見工(東濃2位)に敗れた。だが、球質に有り余る非凡さを感じさせ、今後の成長への期待はさらに高まった。注目のマウンドをリポートする。
◆プロ注目の岐阜ナンバーワン右腕・坪、敗戦糧に夏の飛躍誓う
最速147キロ、ストレートの球質のよさは別格で、スライダーも切れる。1年の秋から背番号1を背負い、今年の岐阜県ナンバーワン右腕の呼び声も高いプロ注目の大垣北のエース坪。
昨秋は肩の腱板損傷で投げられなかったが、12月に復活。一冬を越えて、最速も143キロからアップし、切れも各段に増した。夏に向けた試金石でもある春季県大会初戦多治見工戦のマウンドに立った。

ところが、立ち上がりから自慢の直球が浮き、ストレートの四球。連続の空振り三振で非凡さを見せたが、地区大会で抜群の切れだったスライダーが力みからワンバウンドするなどストライクが取れない。ここから3者連続の四球押し出しで先制点を献上した。
次打者を三ゴロに仕留め、1失点で切り抜け、二回、1死から四球を出し、盗塁でスコアリングポジションに進められながらも連続三振で切り抜ける。坪自身も「修正できた」と振り返るが、三回には甘く入ったストレートを集中打される。
先頭の3、4番に連打を浴び、送られ1死二、三塁。1ボール1ストライクからのスクイズ空振りで三走をタッチアウトにして2死にしたが、「抑えようと力んでしまった」という4球目が甘くなり、左翼フェンス直撃の三塁打を浴び、0―2。
味方が四、五回に1点ずつ取って試合を振り出しに戻した直後の五回裏には、1死から中堅越えの三塁打を浴び、自らの暴投で再び勝ち越された。
結局6回被安打4、7奪三振、6四球、3失点で降板した。
「あそこまで球が浮くのは初めて」と近藤健二監督も語る春季県大会初戦のマウンド。
坪自身は「体が軽く、調子はよかった」と振り返るが、...