選抜の苦い経験を生かしたエースが宿敵を撃破―。岐阜県高校野球フェア最終日は29日、長良川球場で、大垣日大が同じく選抜出場校の常葉大菊川(静岡)と対戦。第1試合は中野翔真の投打にわたる活躍で5―4で接戦を制し、第2試合は9―6で打ち勝ち、連勝した。熱戦をリポートする。

5回表大垣日大2死三塁、中野翔真が左翼へ逆転2ランを放つ

◆エース中野翔の投球レベルアップ 高校初アーチも放つ

 大垣日大にとって常葉大菊川は初出場で選抜準優勝した2007年のチームが秋季東海準決勝、選抜決勝、選手権準々決勝で3敗し、唯一公式戦で負けた相手。2012年の秋季東海大会1回戦でも敗れたが、昨秋東海決勝で対戦し、7―4で大垣日大が初めて公式戦で勝利した。

 指揮官は大垣日大が名将阪口慶三さんから、高橋正明監督に代わったが、常葉大菊川も2007年3連敗を喫した時の正捕手石岡諒哉さんが監督という因縁の相手。今選抜ではともに初戦敗退を喫し、高校野球フェアでの再戦となった

 大垣日大の先発は、昨秋も完投勝利した中野翔。選抜初戦の西日本短大付(福岡)戦では、3回までパーフェクトに抑えながら9安打6失点。「インコースのストレートがうまく使えなかった。シュート回転して、甘く中に入ってしたところを打たれ、複数失点した」と振り返る。

甲子園の反省を生かし、先発、抑えで粘り強く投げ抜いた大垣日大のエース中野翔真=長良川球場

 その反省を踏まえた常葉大菊川戦のテーマが「いいバッターがそろっている。インコースのストレートをしっかり投げ切り、複数失点しないこと」。

 初回に2死から四球を出し、連打で1点を先制されたが、ここからが一回り成長した中野翔。...