熊本、大分両県で計278人が犠牲となった2016年の熊本地震は14日、最初の激震「前震」から9年となった。前震と16日の「本震」で震度7を2回記録した熊本県益城町では午前8時半ごろ、西村博則町長や職員ら約30人が1分間黙とうした。町長は震災記念公園の献花台に花を手向け「地震を風化させることなく、伝え続けることが大事だ」と語った。
県内の主要なインフラや自治体の庁舎の復旧はほぼ完了している。西村町長は「ハードの復旧はかなり進んだが、心の部分が一番の課題と思う。ソフト面の復旧をしっかり進めたい」と述べた。
熊本地震では、県内の災害関連死は220人で、直接死の4倍超に上った。大分県の死者は関連死の3人。両県で計約4万3千棟の住宅が全半壊し、最大時計約19万6千人が避難した。
熊本城(熊本市)は石垣の崩落など大きな被害を受け、復旧工事の完了は52年度になる見通し。