太平洋戦争末期の1945年4月に貨客船「阿波丸」が米潜水艦の攻撃により沈没し、民間人ら2千人以上が犠牲となった「阿波丸事件」から80年となり、慰霊碑がある東京都港区の増上寺で13日、慰霊法要が行われた。遺族は「このようなことが二度と起きないように」と手を合わせた。
冷たい雨が降る中、約40人が参列。遺族らでつくる「阿波丸東京有志の会」代表で、外交官の父を亡くした金井和子さん(83)は「水の中でどんなに寒く、苦しかっただろう」と思いをはせ「この出来事を後世に残していきたい」と語った。
阿波丸は日本郵船所属の貨客船で、45年4月1日、台湾海峡で魚雷を受け沈没した。