デフサッカー男子日本代表の親善試合でサインエールを送るサポーターら=2日、国立競技場

 東京都などで11月に開かれる聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」に向け、都が手話を基にした日本生まれの応援スタイル「サインエール」の周知を進めている。手話を意味するサインランゲージとエールを組み合わせたもので、ろう者と聞こえる人が共同で完成させた。

 国立競技場で2日に開催された、デフサッカー男子日本代表の親善試合。会場の500人以上が両手をパーにして前に出す「行け!」を意味するサインエールを送った。

 デフ代表は敗れたが、主将のGK松元卓巳選手は「すごいパワーをもらい、本当に楽しい時間を過ごすことができた」と話す。

 デフアスリートからの「声援はうれしいがあまり伝わらない」「応援を感じ取れたらもっと力になる」といった声をきっかけに、筑波技術大や全日本ろうあ連盟の協力を得て「行け!」「大丈夫 勝つ!」「日本 メダルをつかみ取れ!」の3種類が誕生した。

 制作に関わったろう者の西脇将伍さんは「サインエールで大会を盛り上げ、選手が輝く場所をつくっていきたい」と期待を込めた。